
没後10年、半世紀の制作をたどる初の回顧展

特別展「中西夏之 緩やかにみつめるためにいつまでも佇む、装置」が、2026年3月14日(土)から6月14日(日)まで、大阪・中之島の国立国際美術館で開かれた。2016年に没した画家・中西夏之の没後10年にあたり、半世紀以上にわたる制作の軌跡を振り返る初の回顧展となった。
展覧会名には、中西が絵画のあり方について残した「緩やかにみつめるためにいつまでも佇む、装置」という言葉を採用。画家を志した初期から、前衛美術家集団「ハイレッド・センター」で活動した時期、舞踏家・土方巽との出会いを経て絵画へ戻った後の作品までを通し、中西が問い続けた絵画の存在と制作の場所を取り上げた。
前衛活動を経て再び絵画へ
第1章「生体と物質の錬金術」では、1950年代末から1960年代前半の仕事を紹介した。東京藝術大学卒業後に絵画制作を始めた中西は、高松次郎、赤瀬川原平とハイレッド・センターを結成し、絵画の外でパフォーマンスを繰り広げた。
土方巽との関係を深めた後、1960年代後半には画家としての活動を再開。第2章「絵のある場所と絵の形」では、具象と抽象のどちらにも収まらず、色彩、形態、画面を通して「絵画を描くこと」自体を問い直した作品を扱った。
画家と画面の位置から光・時・色へ

第3章「無限遠点からの弧線」には、画面に竹弓を取り付けた〈弓形が触れて〉の連作などが含まれた。画家がどこで、どこに描くのかという位置関係を考えた作品とともに、《紫・むらさき XVIII》《中央の速い白 XIII》などが紹介された。

第4章「想像的地表にあふれる光」は、後年の作品群を通して、中西が追究した「光・時・色の三位一体」に焦点を当てた。オレンジや黄緑、紫を多用し、柄の長い筆を使って遠くから描いた絵画を含め、作品を見ることと描くことを改めて考える構成となった。
大阪会場の後は3館へ巡回
国立国際美術館での会期後は、山梨県立美術館で2026年7月4日(土)から8月23日(日)、セゾン現代美術館で9月5日(土)から11月3日(火・祝)までの巡回日程が設定された。茨城県近代美術館では、11月12日(木)から2027年1月17日(日)までの開催を予定している。
開催概要
イベント名:中西夏之 緩やかにみつめるためにいつまでも佇む、装置
日程:2026年3月14日(土)〜6月14日(日)
時間:10:00〜17:00、金曜日は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで
会場:国立国際美術館 地下3階展示室
入場料:一般1,500円/大学生900円/高校生以下・18歳未満無料
主催:国立国際美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会
公式サイト:https://www.nmao.go.jp/




